ダウンロード違法化について

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/18/news125.html

コンテンツ(楽曲、小説)がモノ(レコード、CD、本)に縛られなくなった時代、コンテンツの製作者と消費者の関係を考え直さないといけない。

すでに、アニメやゲームといった、時代を先行しているコンテンツでは、著作権者が、二次利用を黙認あるいは公認し、あえて「権利を行使しない」という選択をしている事がある。
権利者にロイヤリティーを払わずに、同人誌を作って売ったり、コスプレ衣装を作って売ったりすることを認める。それでファンが増えて、一次製作者の利益にも繋がる。
もし二次利用からロイヤリティーを取るようにしても、二次利用自体が減るので大した利益にならない。それどころか、ファンが減るので利益は減る。

さて、音楽や映画といった業界は、時代についていけない世代の人間が「著作権保護団体」を運営することで、産業自体が時代に乗り遅れている。
特に音楽については、もっと二次利用に寛大になってもいいはずだ。
例えば、僕の好きなBUMP OF CHICKEN。KやラフメイカーのFlash動画がネット上に流れ、ファンが増えた。ネットでMP3をダウンロードするだけのファンも居るが、CDを買うファンは確実に増えた。
これは、ラジオと同じ構造だ。ラジオを録音して聴くだけの人も居れば、ラジオがきっかけでファンになりレコードを買う人も居る。

ラジオと違法二次利用の違いは、著作権者にロイヤリティーを払っているかどうか。全く問題が無いわけではないが、無許可二次利用を取り締まったところでネットや携帯からラジオに戻るユーザーは僅かだろう。むしろ音楽離れが進むだけだ。
無許可二次利用が十分に「ファンを作る」効果があるのなら、放送業界から取っていたロイヤリティーが取れなくなることを容認しても良い筈だ。
逆に、もし無許可二次利用が盛んにされているのにCDの売り上げが落ちるとしたら、その音楽自体に「ファンを作る」力が無かっただけだ。

では、映画や小説も同じか?というと事情が異なる。
音楽は映画や小説よりも一回当たりの消費時間が短いし、何かをしながら聴ける。映画や小説は、鑑賞するのに時間と労力が必要だ。つまり、音楽に比べて繰り返して鑑賞する事が少ない。すると、一度鑑賞した後に購買する確率は低くなる。
インターネットを利用した宣伝は、二次配布よりもBlogやSNSでの感想といった口コミの方が適しているだろう。

もちろん、ここに書いているのは僕の意見であり、事実でもなければ根拠も無い。
ただし、重要なのは、二次利用に対する姿勢を著作権者側が決められるかどうかだ。
今のメジャーレーベルからCDが販売されている音楽は、JASRACが著作権管理を請け負っている。アーティストが「バンバンコピーして良いよ。気に入ったらCD買ってね。」と思っていても、JASRACが「人前で歌ったらダメ、Flashに使って配布してもダメ、歌詞をBlogに書いてもダメ」と言ったら全部ダメになる。
レコード会社がJASRACと手を切り、アーティストの意向をできるだけ反映した形で著作権管理しつつCD化する・・・そんなレコード会社は出てこないだろうか?

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