Softbankとアクセスチャージ

「日本の携帯を高くしている真犯人は」 http://www.phs-mobile.com/black/black33.html で指摘されたアクセスチャージの価格差について、Softbank擁護派の意見がいくつか見られるので、反論してみる。

グラフの基準点について。

元の記事で、0円から10円までの間のいくらかを省略してる。コレに対して「少ない差を大きく見せている」と反論している人がいる。 (http://f.hatena.ne.jp/images/fotolife/l/leapfrog/20080207/20080207025808.gif
グラフの書き方による印象操作が話題になってから、0から省略なしの線形グラフ以外不公平とか思ってしまう人が多いんだけど、もうちょい考えようよ。たとえば偏差値を、0〜120あたりでグラフにしたら、40と50は、50と60は大して違わないよね。だから偏差値10程度の違いはどうって事無い?がんばって勉強して偏差値10上げた人を馬鹿にすんな。
とりあえず、基準を0においてはいけない。適正価格(平均的なコストに適正な利益を加えたもの)が幾らかは判らないが、たとえばSoftbankWホワイト(10.5円/30秒)の半分の10.5円/分が適正価格だとする。Docomoの上バネが0.8円、auの上バネが2.5円、それに対してSoftbankの上バネが5.5円!
そう考えると、元記事のグラフはSoftbankに不利な印象操作をしているどころか、Softbankに有利な印象操作をしているじゃないか!

価格差はシェア差に対する補償だという考え方について

「ソフトバンクはシェアが低いからアクセスチャージが高いんだよ」- http://www.blog15.net/archives/51249188.html
まず、普通に考えたら、同じ携帯電話同士なんだから、アクセスチャージは2キャリア間で対等であるべきで、「シェアが低いからコストかかるんだよ!」なんて理論は「シェアが低いお前が悪い。オレは努力してシェア上げたんだから、お前も自分で努力しろ」っていうのが普通の競争理論だ。
ただし、携帯電話は公共性の高いサービスで、しかもシェア差が強力な戦力差になり得るから、ある程度の補償としてアクセスチャージの価格差があるのは別に良いだろう。
シェアが25%を超えるauとDocomoはドミナント規制に引っかかっているので、シェアに対して適正な価格だとする。Docomo−auのシェア差は20%で、アクセスチャージ差2.7円、対してau-Softbankのシェア差は10%なのに、アクセスチャージ差は3.0円。差じゃなくて比で見ても、Docomo/auは1.67倍、au/Softbankは1.5倍なので、auとSoftbankのアクセスチャージ差がDocomoとauの差よりも大きいのは適正価格とは思えない。ドミナント規制に引っかからないのを良いことに、ぼったくり価格を通していると非難されてもしょうがないだろう。っていうか比で見て良いんだったら、Softbankの1/4しかシェアが無いウィルコムは、ウィルコムのアクセスチャージは25円/分くらいが適正だよね!!

キャリア内通話定額について

僕が一番Softbankについて胡散臭く思うのがこのSB間定額だ。auが家族内や法人内といった強い限定をかけているのに対して、SBのキャリア内通話定額は非常に制限がゆるい。SBからならSBにかけてもタダなのに、SB以外からSBにかけると高めのアクセスチャージを課すというのは、本来SBユーザーが払うのが妥当なコストを他キャリアのユーザーに転嫁しているとしか思えない。
もちろん、シェアが25%を超えたらドミナント規制にひっかかって適正なアクセスチャージへ引き下げられ、SB間通話無料も見直されるだろう。でも、規制されていないからといって不公平な価格体系を取っているならば、非難されて当然だ。

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