Pixel Buds Pro が対応する高音質通話機能 Super Wide Band について

Pixel Buds Proがアップデート、より自然な音声品質や会話検出、低遅延に対応 - ケータイ Watch

Pixel Buds Proは、Pixel 8/8Proと組み合わせることでSuperWideBandに対応する。SuperWideBandでは音声の帯域が従来の2倍になり、音声がより自然でクリアに聞こえるようになる。

これの仕様についてググったらこの記事を見つけた。

The Google Pixel 8 and 8 Pro are here with all the upgrades you've been asking for

無線イヤホンなどが通話するのに使っているのはHFP(Hands Free Profile)だ。この仕様の v1.6でWide Bandが追加され、mSBCを使いサンプリングレート16kHzで通話が可能になった。 "HD Voice" という通称の方がよく知られていると思う。

HFPの現行の仕様は v1.8 なんだけれども、次の v1.9 が策定中で、その仕様の中で LC3 を使った 32kHz 通話である Super Wide Band が追加されるらしい。これが Pixel Buds Pro と Pixel 8 が対応する Super Wide Band の正体だろう。

LE Audio が控えているのに今更HFPかよと思わなくもないが、 LE Audio に対応できない Pixel Buds Pro でもファームウェアアップデートで高音質通話が可能になるのだから意味があるのだろう。他のワイヤレスイヤホンや過去のスマホがアップデートで対応できるならいいと思う。

競合する方式にQualcommのaptX Voiceがある。これはSnapdragon Soundに含まれていて、普通の aptX Adaptive に対応しているだけのスマホ・イヤホンでは使えないようだ。あまりにも厳しすぎる…Snapdragon Sound に対応したイヤホンには、フルの性能を発揮できる Type-C ドングルを付属させて欲しい。

「Qualcomm® Snapdragon Sound™」で最高のオーディオ体験を! - 半導体事業 - マクニカ

ドングルを使う場合はBluetoothにこだわる必要がないので独自の2.4GHz無線通信であれば既存の製品がある。特に低遅延が求められるゲーミングヘッドセットに多い。これを使えばType-Cを搭載した幅広いiPhoneAndroidで高音質かつ低遅延の通話ができるはずだ。2つの機器へのマルチポイント接続じゃ全然足りない!という人もドングルを差し替えるだけで切り替えができるので、上手くいかないことが多いペアリング切り替えよりも楽だろう。

しかしほとんどがヘッドホン型のヘッドセットで、イヤホン型の選択肢が少ないのが難点。これくらい。

このブログに乗せているコードは引用を除き CC0 1.0 で提供します。